明日の君へ

別居生活の記録

4月1日

春爛漫、新入職員や新入生の人々が期待と不安の入り混じった新鮮な面持ちで職場を練り歩く。そんないつもの4月初日だが私といえば今までにない新年度を迎えている。


新居生活ももうすぐ1週間となり少し慣れてきた。家財道具も僅かずつではあるが充実しつつあり、寝るには困らない状態、さらに冷蔵庫や洗濯機が揃えばほぼ万全の構えとなる。


仕事に精を出していると妙な考えが浮かぶことがほとんどない。ただ、こうして一人で家にいると色々と考えてしまうことは避けられない。なので、極力酒を呑んでさっさと寝てしまうようにしているが、そうもいかない日もある。


行く末の不安ということではないが、歩んできた道に対する後悔に近い感情、そして事態を好転させられなかった無力感、そういったマイナスの感情に心が占められそうになることがある。

何か一つでもうまく行くことが有れば救いもあるというものだが、我が人生そううまくはできていない。


やることなすことうまくいかず、漫然と時を過ごすことによる絶望感。もがいたとしても何も変わらないだろうという虚無感。


仮に今この瞬間に人生が終わっても「ああそうか、これで終わりなのだな」とすんなり考えるに違いない。しかしそう簡単には終われないこともわかっている。易々と許してもらえるはずがない。


まさにここは心の牢獄だ。


これからの時間を少しでも明るいものにするために何ができるのだろうか--そんなことを考えつつ眠りにつくことにする。明日は初めての業務内容なので睡眠時間を確保しなければいけないのだ。