明日の君へ

別居生活の記録

ヨイトマケの唄

よいとまけ
建築現場などでの地固めのとき、大勢で重い槌(つち)を滑車であげおろしすること。また、その作業を行う人。作業をするときのかけ声からいう。

美輪明宏作詞の歌謡曲である。

美輪が銀巴里でシャンソン歌手として歌っていた頃、東大の建築工学科に通う学生と知り合いになったことがきっかけで本曲の着想に至ったという。

曲中ではある青年が幼少時に母親の職業をネタにいじめを受けたこと、そしてその悔しさを母親が懸命に働く姿を見て言い出せずに飲み込んだこと、またそれをバネに懸命に勉学に励み、高校大学を卒業して高度経済成長期に立派な技術者に成長した姿が描かれ、最後は「子供のためならエンヤコラ」というかつての母の掛け声を回想して締め括られる。

1964年に初めて発表され、それから半世紀以上が過ぎた今も人の心をとらえる歌と感じる。

仕事で遅くに家に帰りつき、家族と充分なコミュニケーショも取れないうちにまた翌日仕事に出かけるような日々を過ごされるビジネスパーソンも多いことだろう。

仕事の重責や諸々の心理的重圧から酒に逃げてしまう私のような者からすれば、毎日黙々と仕事に励む方々に尊敬の念を抱かずには居れない。
それでも、そんな私であっても、この歌には心打たれるものがあり、思わず目頭が熱くなる。

何故、何の為に日々を過ごすか?
ヨイトマケの母に学ぶことは多い。