明日の君へ

別居生活の記録

10月1日(じゅうがついっぴ)

3月に家を出て7ヶ月が過ぎた。
張り詰めていた気持ちは随分と和らぎ、安穏とした生活を過ごしている。

家のことを思うと胸が苦しくなるのは相変わらずであるものの、そうした感情に呑み込まれることは減ってきている。

人生の浮き沈みを40前後にして知り今も試練の只中にあるけれど、一度受け入れてしまえば存外当たり前のことと捉えられるようである。

世の中には砂漠に水を撒くようなことを諦めることなく続けている人が居て、そうした活動というものは本当に人を勇気づけるものだと感じる。そしてそういう人が最後には評価を得て、賞賛されるべきであるし、自分もそうありたい。

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ふと感じたのだが、もしかすると私は、本当は畑仕事をしたり釣りをしたり、雨が降れば日がな音楽を奏で、酒をのんでは歌ったりする生活を欲しているのではないか。

気位が高くて、馬鹿にされることを嫌い、激しく攻撃的な内面を有する反面、いや有するが故に、それを覆い隠す仮面を後天的に身につけたが、本当は驚くほどのんびりした呑気でマイペースな性格なのではないか。何故にこうも歪な人間になった?

子供には可哀想なことをした。
人生の浮き沈みを、ともすれば彼女の云う通り、ぶつけてしまっていたのかも知れない。
知らず知らずのうちに。
申し訳ないことだ。

時を戻すことはできない。
失われた時を求めてもせんなきことではあるが、こうして文字に起こすと元来前を向いて猛進する性格ではないことを改めて思い知らされる。

台風がきているようだ。
明日の出張に影響しなければいいのだが。

♪ 幻想曲 op.49
F. Chopin